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中国VR市場の最先端!「2018世界VR産業大会」出展レポート

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日本でもコンシューマ向け、ビジネス向けともにVRを活用した事例が増えておりますが、海外でもVRを活用した様々なサービスが増えてきております。

今回は、2018年10月に中国の江西省南昌市で行われた「2018世界VR産業大会」に当メディアの運営企業であるSynamonのメンバーが出展してきたので、その様子を出展レポートという形でお伝えします。
中国のVR事情がどんな状況か気になっている方や2019年以降に参加検討される方もいると思うので、そういった方々の参考になれば幸いです!

2018世界VR産業大会の背景

「2018世界VR産業大会」は、VRの産業用途への応用を加速させるために、中国の中央政府である国務院(内閣に相当)の行政部門の一つである工業情報化部(通称、工信部)が主導となって行った国際的な大規模イベントです。
イベントの目的としては、VRの応用に関する知見・成果の交換や優れたVR関連製品の紹介、国際交流のプラットフォーム形成、商品と市場のマッチングなどが掲げられていました。
イベント内容としては、世界中のVR業界の著名人が公演を行うカンファレンスと、VR製品やアプリケーション開発などの企業約600社が出展した博覧会の2つがメインとなっており、全世界より政府関係者・パイオニア企業の経営層・R&D機構・投資家・ユーザー・メディアなどが集まる大規模なイベントになっていました。

こうしたイベントを行った経緯としては、中国が「VR発展政策」を掲げている背景があり、政府主導でVR市場の立ち上げを図っているという事情もあります。
イベント発表時のコメントで「VR技術は1兆元規模の新興市場を切り拓く。中国はVR産業の発展を高度に重視している。工業・情報化部は政策及び標準の策定、産業構造などの面でVR産業の健全な発展の推進を加速する」といった発言をしていることからも分かる通り、ゲームやエンターテイメントではなくビジネス用途での利用に重きを置いた政策を行っていくことがわかります。

参照:中国工業・情報化部、VR発展政策を発表へ中国網日本語  
http://japanese.china.org.cn/business/txt/2018-05/22/content_51481635.htm

さらに、本イベントの開催後にAR/VR産業向けに4.6億ドル(約510億円)規模のファンドを立ち上げると発表があるなど、金銭的にも大きな援助を行っていくことが明らかになりました。

参照:中国・江西省、AR/VR向けに500億円規模のファンド設立 | MoguraVR News
https://www.moguravr.com/china-jiangxi-ar-vr-fund/

会場である南昌市の様子

今回の開催場所である江西省南昌市は上海から飛行機で2時間弱、高速鉄道で約3時間程度の位置に存在します。日本からは南昌への直行便等は無かったため、今回は上海から新幹線で現地に向かいました。

南昌に到着すると、すでに駅から歓迎ムード全開で、街中にもあらゆる場所に今回のイベントを宣伝する看板やポスターが貼られていて、まさに街が一丸となってこのイベントに臨んでいる様子がとても良く伝わってきました。

駅には歓迎の看板やスタッフが配備
街中の観光名所の公園にあった巨大なVRのオブジェクト

会場内の様子

今回の博覧会は3日間の開催だったのですが、ビジネスマンだけでなく、南昌市に住む多くの市民が参加していたため、3日間とも会場内は非常に多くの人で溢れかえっていました。初日は平日の金曜日だったのですが、なんと南昌市内の全ての学校がこのイベントのために休みになっていたそうで、家族連れなども多かったのが印象的でした。感覚的には「東京ゲームショーのVRセクション
」と「3D&バーチャル リアリティ展」の中間に位置するような展示会で、単にVRに興味がある一般コンシューマーと、ビジネス目的でのアライアンスやサービス導入を検討しているビジネスマンが混じり合った感触でした。

VR自体への関心度は皆さん非常に高く、興味津々にデモを体験されたり、とても積極的にご質問いただく方が多かった印象でした。

会場の外にはオープン前にすでに長蛇の列
大勢の参加者で熱気あふれる会場の様子
Synamonが展示したNEUTRANS BIZにも興味津々

他企業の展示内容

博覧会の会場には中国企業だけでなく、日本や韓国、アメリカなど様々な企業が出展していました。ハードウェア・ソフトウェアともに出展はあり、またビジネス用途だけでなくコンシューマー向けのサービスやロケーションVRの展示もありました。展示している内容自体は日本の展示会とも大きな差はないような印象で、ビジネス用途では安全教育といった研修用途のコンテンツの他、製造過程で使うデザインレビュー用途のサービスや、化学や医療をターゲットとした教育用途のコンテンツも展示されておりました。

中国企業のみでなく、世界中の企業がVRコンテンツを展示
安全教育は中国でも定番コンテンツの1つ
施工安全や消防安全等への活用は中国でも多い
手術やメンタルヘルスといった医療領域への活用事例も存在する
会場内で利用されているHMDはVIVEが主流。
VIVEは展示ブースも大きく、展示コンテンツの種類も豊富。

また、日本からはコロプラさんやオムニバスさん、IVRさんといった企業が出展しておりました。

子供や家族連れにも人気のコロプラさんのブース
中国を舞台としたコンテンツが人気のオムニバスさんのブース
Vカツが老若男女問わず人気だったIVRさんのブース

周辺施設(巨大VR施設)

今回のイベント開催のタイミングで、世界中から様々なVRコンテンツを集めたVR施設が展示会会場の横にオープンしたので、展示の合間に少し覗きにいってきました。

会場は1-4階までビルごと全てVRコンテンツという非常に大きな規模で、おそらく世界最大規模のロケーションVR施設なのではないかと思います。1つ1つのフロアも広めで、日本では見たこと無い大がかりな機材を使ったコンテンツ展示が印象的でした。

VR STARというロケーションVR施設
エリアごとにテーマがあって、1-4階までほぼ全てVRコンテンツ
アームに掴まれて映像に合わせた動きを再現
体験できたのはジェットコースターのコンテンツ

また、Twitterでもバズった歩行デバイスもこの施設内にあります。

まとめ

まさに、世界中からハード・ソフト問わず多くのVR/ARサービスが集まる世界最大規模の展示会でした。

中国の最新のVR事情や展示会の様子がこのレポートで少しでも伝わったなら幸いです。

このように、中国では大規模VR展示会の開催や国を挙げて「VR発展政策」を掲げるなど、国内だけではなく世界中でエンタープライズVRは熱気を帯びてきています。

今回の展示会で展示されていたサービスの中にもすでに実利用されているものが多数あり、今後さらにエンタープライズVRが世界中で盛り上がっていくことを期待したいです。

記事:武井 勇樹

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