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VR活用

製造業×VRの活用事例

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VRのビジネス活用が進む中、製造業分野においてもその活用が進んでいます。

製造業分野では主に「製造や保守・点検などの実作業トレーニング」、「設計・試作シュミレーション」、「モックアップ・プロトタイプの再現・製作」の3つの製造プロセスにおいてVRが活用されており、作業の効率化、コミュニケーションの円滑化、リードタイムやコストの削減といった大きなメリットを生んでいます。

今回は各プロセスにおけるメリットや活用事例を紹介していきます。

1.実作業トレーニング

トレーニングに大きなインフラを整備する労力やコストを削減できると同時に、熟練者の目線や手順などの技術をVRを用い訓練することで、作業の標準化を図ることも可能になります。

熟練者から若手への技術継承や海外工場での作業員のトレーニングなど、様々な場面での活用が期待できます。

ホンダ

ホンダ(本田技研工業株式会社)はCGソフトを用い、四輪車の開発に活用していたVR技術を車体組み立て部門に応用する形で実作業トレーニングでのVR活用を開始しました。

組み立て部門では全員で一度に作業を確認するために大画面VRを活用し、一人が位置センサつきメガネを着用し大画面3Dで作業を行い、その様子を他のメンバーも3Dメガネをかけ立体視でチェックすることでトレーニングを行っています。

一方、車両検査部門では、VRヘッドセットを用い、車体の下側にある地下ピットでの作業を再現し、トレーニングを行っています。作業スペースの再現に加え、実際と同様に検査車両が通り過ぎるアニメーション、検査に使う懐中電灯とLED手持ちライトによる光源の再現など、極めて現実に近い状態での実作業トレーニングができます。

参照:https://news.mynavi.jp/article/20171025-toyota_honda_vr/2

2.設計・試作シュミレーション

VRを製品シュミレーションのプロセスに用いることで、製作される予定の製品が使われる使用環境や実物大の製品をVR空間上で再現することができます。これにより、製品の形状や実際の大きさなどの特徴を視覚的・感覚的にとらえることが可能になり、より実体験に近い感覚でのシュミレーションや効率的な設計を行うことができます。

小松製作所(コマツ)

建設機械を製造する小松製作所(コマツ)は開発力強化を目的とし、建設機械の設計にVRを活用しています。


仮想空間において開発中の建設機械を再現し、運転者や整備者が操縦した時の、操作性や視界性、安全性をシュミレーションできる仕組みで、細かな部品の点検や整備も可能になっています。

設計段階から実物のように機械を確認できるようになり、開発・設計に反映して行くことが可能になったため、大幅に開発効率が向上し、開発期間の短縮が可能になりました。

日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO89986840R30C15A7000000/

小松製作所(コマツ):https://home.komatsu/jp/

3.モックアップ・プロトタイプの再現・製作

VR空間内に製品のモックアップやプロトタイプを再現することや製作することも可能です。これまで3DCADなどのデータで2次元でしか表現できなかったモックアップでしたが、VR空間に3次元に再現し、実際に触れることで、2次元データでは気づかなかった問題点の発見に至り、さらにそれを共有しながら話し合いを進めることでコミュニケーションの円滑化を図ることができます。

また、VR空間内で工具を使用し、モックアップを作成していくという試みもあり、今後の開発に期待したいです。

製造業向けVRソリューション

その他の製造業に関するVRサービスを紹介します。

NEC「VR現場体感分析ソリューション」

NECは製造業向けのVRソリューションとして、「VR現場体感分析ソリューション」の提供をしています。

提供サービスは、VR導入・運用に関するコンサルテーション、生産ラインの効率性を検証するためのVRコンテンツ、安全教育のためのVRコンテンツ、製造現場・保守点検作業を再現したVRコンテンツ、製品開発、製品デザインのためのVRモックアップ、不足事故対応訓練のためのVRコンテンツの製作があり、幅広いサービス内容が揃っています。

このように、「VR現場体感分析ソリューション」は製造業に関わる様々なフェーズ(段階)のVRソリューションを提供しています。

NEC「VR現場体感分析ソリューション」https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/ss/arvr/products/manufacturing/index.html

mixpace

また、これまでの活用例のようにVR空間上で製品のシュミレーションやチェックを行うには3DCADデータをVR空間上での3Dデータに変換する必要があります。

そのためのソリューションとして「mixpace」というサービスが株式会社ホロラボが開発し、SB C&S(ソフトバンクコマース&サービス)株式会社が販売を担当する形でリリースされました。

出典:SB C&S


3DCADデータを自動的にVR/AR用に最適化するソフトウェアで、ユーザーは3DCADデータをアップロードするだけで自動的に最適化処理が行われ、それらをダウンロードするとVR/ARデバイスで3Dデータを確認することができます。

従業員のトレーニングや設計シュミレーションなど様々な場面でこうしたデータが活用できそうです。

mixpace:https://biz.cas.softbank.jp/mixpace/

まとめ

このように、「製造や保守・点検などの実作業トレーニング」、「設計・試作シュミレーション」、「モックアップ・プロトタイプの再現・製作」の3つの製造プロセスにおいてVR活用は数多くのメリットがあり、特に製造業においては、新しい「ソリューション」としてVRが多く活用されています。

加えて製造業でのVR活用がさらに進むことで、今後の製造プロセス自体に大きな変化が起きる可能性も大いにあります。

VR活用が進むことで日本のモノ作りがさらに前進していくことを期待したいです。

記事:中町諒佑

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