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働き方改革×VR

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2018年6月29日に可決、2019年4月から施行された「働き方改革関連法(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)」に伴い、今日多くの企業が「働き方改革」をスローガンに挙げ、数々の取り組みが行われています。

こうした活動のなかで、「リモートワーク」が一つのキーワードとなり、「VR会議」がこうした文脈で注目を集めています。

今回は、働き方改革の一環として「VR会議」に取り組んでいる企業の事例を紹介していきたいと思います。



そもそもVR会議とは?



VR会議とは、VR技術を用いバーチャル空間で行われる会議のことです。

遠隔地にいるメンバー同士と、バーチャル空間上で会っているような感覚で会議ができ、新しい働き方の手段として注目を集めています。



メリット



VR会議ではバーチャル空間上で会議ができるため、場所を問わず会議に参加することができます。それに伴い、交通費や時間などのコストの削減が見込まれます。

では、これまでのビデオチャットサービスとは何が異なるのでしょうか。

VR会議の特有のメリットとしては以下のものが挙げられます。

  1. 非言語情報の伝達(3Dイメージの共有、多人数同士のコミュニケーション、論点が複雑になる場合)
  2. 高い臨場感
  3. コミュニケーションの活性化

まず、「非言語情報の伝達」ですが、PDFやパワーポイントなどの情報に加え、3Dデータを活用することで、これまで言葉では伝えにくかった情報をビジュアルイメージとして共有することができます。

これにより、3、4人以上の多人数間でのコミュニケーション論点が複雑な会議の場合でもスムーズに会議を行うことができます。

また、3DCGや3DCADデータも共有できるため、製品のプロトタイプや建築物などのデザインレビューも容易に可能になります。

2点目の「高い臨場感」ですが、VR空間内で会議を行うため、これまでのビデオチャットと比べ、没入感が高く、それに伴い会議への集中力が向上し、より生産的な会議が可能になり、意思決定スピードが速くなる傾向もあります。

また、これまでのビデオチャットでは、遠隔地から参加する人が会議の中で傍観者ポジションになってしまうといったことが多々起きていました。しかし、VR会議では全員が同じ空間内で会議をするため、主体性を持ち会議に参加することができます。

3点目の「コミュニケーションの活性化」について、VR会議は通常アバターにより会議が行われます。アバターで会議を行うことで、リアルに対面するよりも話しやすくなり、発言量が増え、コミュニケーションが活性化します。



企業の取り組み

NEC

NECはNECマネジメントソリューションと提携し、働き方改革の一環として、AIを活用したVR会議の実証実験を2018年10月から2019年3月まで行いました。また、NECが提供する「法人VRソリューション」の新コンテンツとして2019年度の提供を目指しています。

NECマネジメントパートナー全社の、拠点とのリモート会議、プロモーション企画会議、現場革新ワークショップ、サービス審議会などの様々な業務に活用されており、展示会のレイアウト設計や現場説明など、3Dモデルや実際の360°画像を利用することで、より臨場感の高いプレゼンテーションインタラクティブなコミュニケーションを可能にしています。

また、AIやチャットボットをアバターとして会議に導入することで、AIと対話しながら会議を進めていくことができます。例えば、調べてほしいワードがあった場合に、空間内のAIのアバターに聞けば答えてくれるなどといった活用がなされています。


NECプレスリリース:https://jpn.nec.com/press/201810/20181024_02.html



リコー

株式会社リコーではTV・web会議システム「RICOH Unifired Communication System」と360°カメラ「RICOH  THETA」を組み合わせ、現場の空間を丸ごと共有できる会議システム「RICOH Unifired Communication System 360 VR Live」を2019年5月23日に提供を開始しました。

コンセプト映像

視聴者は手元のデバイスで映像の拡大・縮小や、視点を自由に変化させることが可能で、リアルタイムの映像を詳しく確認することができます。

オフィスに限らず、店舗、工場、教室、病院、建設現場、事故・災害現場などでの利用も期待されており、様々な業務を遠隔地から行うことが可能になります。

専用のアプリをダウンロードすることで利用することができ、最大200端末のパソコン、スマートフォンを接続することができます。また、利用するにはアカウント登録が必須で税別3,000円の手数料と、月額5,000円の利用料で最大9アカウントまで利用できます。

リコープレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000043114.html



NTTデータ(会議の様子を画像で貼る)

NTTデータは、2018年7月23日から27日までの5日間行われた政府による働き方改革キャンペーン「テレワーク・デイズ」に参加しました。同期間中に、同社が開発を進めている「VR遠隔会議」システムを、社内で試験的に利用しました。

筑波大学との共同研究をもとに開発したVR遠隔会議システムに加え、AIを活用することで音声認識翻訳など多様な機能拡張を行いました。

具体的には、会議システムに加え、会話内容をチャット形式で表示する機能、会議内容をWEBへ自動中継する機能、自動翻訳機能が主な機能として実装されており、PC、スマートフォン、VRデバイスなど様々な環境で利用ができます。

紹介動画


今後も同システムの拡張・導入を進め、東京オリンピックが開催される2020年までの本格的な導入を目指しています。

NTTデータによるレポート:https://inforium.nttdata.com/report/vr_future.html

テレワークデイズ(日本経済新聞):https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33197070Q8A720C1000000/



NEUTRANS BIZ

当サイトも運営する株式会社Synamonでは、VRコラボレーションサービス「NEUTRANS BIZ」を提供しており、株式会社KDDIでの導入事例を中心に、様々な業界の企業の方たちにご利用いただいています。

詳しくはこちらをご覧ください。

https://neutrans.space/casestudy/364/



バーチャルオフィス

eXp Realty

eXp Realtyは北米の不動産仲介会社で、現実にはオフィスを持たず、社員は専用のソフトからログインし、アバターとしてバーチャルオフィスに出社します。

同社は、2017年10月以降株価は3倍以上に伸び、2018年5月にはナスダック上場を果たすなど、急成長を見せており、この成長のカギが「オンライン・バーチャルワールド」の活用にあります。


オフィスツアー動画

従業員や建設業者、不動産エージェントなど関係者はバーチャル世界で会議を行い、研修を受けています。彼らは、高価なVRデバイスなどを購入する必要はなく、ネット環境さえあれば業務を行うことが可能です。

バーチャルオフィスを活用することで、世界中どこからでも仕事ができることに加え、会社が雇える社員数の制限がなくなり、オフィスのメンテンナンスなどのコストもかかりません。

また、オンライン上で会議をするだけではなく、湖やサッカー場、フリースペースなど休息の場も設けることで、コミュニケーションの活性化を図っています。

今後様々な業界で、eXp Realty社のようなバーチャルオフィスの形態が進んでいくと思われます。

eXp Realty:https://www.exprealty.com/



まとめ

今回は、働き方改革とVRに焦点を当てて、「VR会議」の導入事例を中心にいくつか紹介しました。

VR会議は働き方改革の一環であるリモートワークのソリューションとして、大きな注目を集めており、今回の事例のように多くの企業で導入の取り組みがなされています。

「VR会議」では、実際に会っているかのような高い臨場感に加え、ビジュアルイメージの共有アバターによるコミュニケーションの活性化など、これまでのビデオチャットと比べ、多くのメリットがあります。

今回紹介したような事例を初めとして、今後様々な業界で、「VR会議」の導入が進んでいくと思われます。

「VR会議」の導入を考えてみてはいかがでしょうか。

記事:中町諒佑

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